公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 北海道支部

今日から実践!電話応対マナー10 後編

協力:接遇&電話応対マナー講師 長谷川 久美子さん

illustration by sora

電話応対は声と言葉だけで成り立つコミュニケーション。対面の応対とは異なり、表情や動作で表現することができません。誤解を与えない、上手な電話応対のためのポイントを10に絞り、前編・後編に分けて解説していきます。

  • マナーとは

マナーとは、簡単にいうと「相手と気持ちよく過ごすためのルール」のこと。
マナーの基本を押さえておけば、プラスアルファの気配りで様々な状況にも臨機応変に対応することができます。マナーは相手や周りの人に対する心遣いともいえます。慣れてくれば自然と体が動き、コミュニケーションをすることがどんどん楽しくなることでしょう。


今回の後編では、<お待たせしない><クッション言葉><伝言><気配りの言葉><最後の一言まで>について説明します。

お待たせしない

お待たせしない

電話応対でよくあるクレームのひとつが「待たされた」というものです。ビジネスにおいて時間は大切なもの。貴重な時間をいただいているという意識を持ち、迅速な対応を心がけましょう。
保留後、考えていたよりも長く時間がかかると判断した場合は、途中で一度電話に出て「お待たせしております。恐れ入りますがもう少しかかりそうですので、後ほどこちらからご連絡させていただいてもよろしいでしょうか?」と確認するなど、待たされている側に配慮をしましょう。
また、連絡をするまでの時間は、少し多めの時間を伝えておくのもポイントです。

お待たせしないのNG

何となくの判断でお待たせしない!
例えば、電話がかかってきて先ほどまでいた担当の姿が見当たらないとき、保留にしたまま探しに行かないようにしましょう。長く待たせてしまったり、廊下などで人に会い、その電話を放置したまま忘れてしまうことになりかねません。電話を受けたときに、担当者が見当たらない場合は、先ず出られない理由(席をはずしているなど)を伝えてお詫びをし、「後ほど(戻り次第)連絡いたします」などと言って一度電話を切りましょう。(急いでいる相手へは臨機応変に)

クッション言葉

クッション言葉

クッション言葉とは、会話の潤滑油として使われる決まり文句です。
担当者が不在のとき、名前、住所、電話番号などを尋ねるときなどに、クッション言葉を添えると相手に与える印象が柔らかくなります。

<クッション言葉の例>
  • 恐れ入りますが、お電話番号を教えていただけますか」
  • 失礼ですが、どちらさまでしょうか」
  • よろしければ、担当が同じ○○がおりますので代わりましょうか」
  • 申し訳ございませんが、○○はただいま他の電話に出ております」
  • 申し訳ございませんが、○○はただいま外出しております」   
  • など

特に、相手の要望に沿えないときには、「申し訳ございませんが」を忘れないようにしましょう。
ガッカリした気持ちを和らげる効果があります。

伝言

伝言

伝言を受けたときは、誰(何)が・いつ・どうする、などということに注意しながらメモを取り、必ず復唱して確認しましょう。特に、電話番号、E-Mail・ホームページアドレスなど、間違えやすい数字や記号の場合は、一字ずつ丁寧に復唱確認することが大切です。
復唱確認がないと、伝言している相手は用件がきちんと伝わっているか不安になることも。また、伝言を受けた方は、「私は○○と申します」などと、最後に自分の名前を必ず伝えてください。安心と信頼につながります。

伝言のCHECK

伝言の内容を担当に伝えることを忘れないように!伝言を伝え忘れたり、間違って伝えたりすると、会社の信用にも関わってきます。
伝言のメモは相手の名前や用件が他の人の目に触れないように取り計らいましょう。また、伝言を受けなくとも、いつ、誰から電話があったかも必ず伝えるようにしましょう。

気配りの言葉

気配りの言葉

電話は相手の状況がわかりません。電話をかけるときは「○○の件でお電話をいたしました。ただいまよろしいでしょうか」と尋ね、相手への配慮を忘れないように。電話番号や住所などを伝える場合、「よろしいでしょうか」と一言入れ、メモの用意がいいかどうか確認をしましょう。
終わりの挨拶の言葉は、「よろしくお願いいたします」「失礼いたします」だけではありません。「お待ちしております」「お気をつけてお越しくださいませ」などと、状況に応じて使い分けるとベター。
気遣いをされる=大切に扱われているという認識につながり、好感度もアップします。

最後の一言まで

最後の一言まで

丁寧な応対をしていても、最後の電話の一言で台無しになることがあります。電話を終える前に、次のことに心が移ってしまうと、気持ちが入っていない言葉となり、そのまま相手にも伝わります。最後の一言までしっかりと相手に向き合い、相手が電話を切ったことを確認してから、静かに送受話器を置きましょう。

最後の一言までのNG

何となく締めくくりの言葉を発さない!電話応対にかかる時間は同じ。相手の方と最後まで誠実に向き合う姿勢が、信頼感を生みます。

電話応対はお互いの顔が見えないコミュニケーションです。顔が見えないからこそ、声の調子などに敏感になりがちで、ともすると相手に「冷たい」「そっけない」といった印象を与えてしまうことがあります。
明るく抑揚をつけ、表情豊かな会話を意識して心がけることが大切。「何となく」の応対はNGです!相手の言うことをしっかり聞き、求めていることは何なのか、どうしてあげたら一番よいのか、常に相手に対する気配りをすることが、的確で気持ちのよい電話応対へとつながっていきます。応対は生きています。「知っている」「わかっている」と思ってもそこで終わらず、「できているかどうか」までの確認を忘れないようにしましょう。

プロフィール

長谷川 久美子

長谷川 久美子 さん

札幌市内の建設会社総務課で来客の応対を担当。
在職中に第8代のミスさっぽろに選ばれ、札幌の親善使節として全国各地を回る。その後、発声の基本から勉強し、結婚式、式典、パーティーなどの司会者となる。多くの人と触れ合う中でマナーの大切さを痛感する。
日本礼法会教授資格を取得。
平成10年NTTエスパス(現在のNTT東日本-北海道)のマナー講師として採用され、接遇マナー、ビジネス電話応対マナー、クレーム対応などの講師として活躍。 平成14年より日本電信電話ユーザ協会主催「電話応対コンクール全道大会」の審査員を務める。

現在、NTT北海道セミナーセンター講師、日本電信電話ユーザ協会テレコミュニケーション契約講師、コーディアル・スタッフ講師。マナーコンサルタントとして、一般企業研修、コールセンターオペレーター研修、新入社員研修、リーダー育成研修のほか、クレーム研修、コミュニケーション研修、学生の面接指導など、心理学の要素を加えながら、さまざまなマナー指導を行っている。