公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 北海道支部

今日から実践!電話応対マナー10 前編

協力:接遇&電話応対マナー講師 長谷川 久美子さん

illustration by sora

電話応対は声と言葉だけで成り立つコミュニケーション。対面の応対とは異なり、表情や動作で表現することができません。誤解を与えない、上手な電話応対のためのポイントを10に絞り、前編・後編に分けて解説していきます。

  • マナーとは

マナーとは、簡単にいうと「相手と気持ちよく過ごすためのルール」のこと。
マナーの基本を押さえておけば、プラスアルファの気配りで様々な状況にも臨機応変に対応することができます。マナーは相手や周りの人に対する心遣いともいえます。慣れてくれば自然と体が動き、コミュニケーションをすることがどんどん楽しくなることでしょう。


今回の前編では、<名乗り方><声の調子><相づち><言葉を省かない><周囲の態度>について説明します。

名乗り方

名乗り方

電話を取ったら、聞き返されないようにハッキリと名乗ります。
電話応対では声の調子が大切で、相手に与える印象を大きく左右します。電話だからこそ、豊かな表情を意識して明るく、メリハリ・抑揚をつけて話します。 電話の向こうの相手を意識し、「お電話ありがとうございます」の気持ちを込めて名乗ります。「ありがとうございます。○○会社 営業部 マーケティング課 ○○でございます」などと、名乗り方は会社で統一するとよいでしょう。

名乗り方のNG

何となく名乗らない!電話をかけてきてくれた相手に不安感を与えることも。

名乗り方のCHECK

名乗り方を聞いただけで、しっかりとした対応をしてくれるかどうか分かるという人もいるくらい、名乗り方は与える印象を左右する!

声の調子

声の調子

電話応対で重要なポイントが、声の調子。
同じ言葉であっても、声の大きさ、明るさ、スピード、抑揚などが、電話応対の印象の8割以上を決定するといわれています。言い方によっては、そっけない、冷たいなどのクレームにつながることもあるので注意が必要です。

声の調子NG

何となく言葉を発するのではなく、その言葉で何が伝わったかを考えること!例えば、電話の相手から「お聞きしたいことがあるのですが」と言われたとき、そっけなく気持ちの入っていない調子で「はい」と応答してしまうと、相手はちゃんと答えてくれるのかどうか心配になってしまいます。相手の心に届き、質問しやすくなるような言い方を心がけましょう。

相づち

相づち

対面して応対するときは、頷くことで話を聞いているという合図になりますが、電話応対では言葉に出して表すことが必要です。
柔らかく、適度なタイミングで相づちを打つと、会話のリズムがよくなり、相手に自分の言葉が受け止められているという安心感が生まれます。相手の話をきちんと聞くことができれば、自然と適切な相づちが出てくるというものです。

相づちのNG

何となくの相づちは×!。相手の言葉をしっかりと聞き、会話の潤滑油として上手な相づちを打ちましょう。また、気のない相づちや、「えーえー」「はいはい」など言葉を重ねる相づちは、受け流しているように聞こえます。また、自分の会話のテンポを取るかのように意味のない「はい」を入れる人がいますが、相づちの「はい」と混じって、耳障りとなりかねませんので注意しましょう。

言葉を省かない

電話応対では、相手の状況を目で確かめることができません。過不足のない言葉でわかりやすい案内をすることが重要です。また、保留にするときには、どうしてお待たせするのか相手にきちんと伝えましょう。相手は待たされる理由がわかっていれば、納得して待つことができます。

言葉を省かない (例)
  • 「ただいま担当と代わりますので、
    少々お待ちくださいませ(お待ちいただけますでしょうか)」
  • 「ただいまお調べいたしますので、
    少々お待ちくださいませ(お待ちいただけますでしょうか)」

相手を待たせる時間は1分でも長いくらい。保留にした電話を取るときは「お待たせしております」「(大変)お待たせ致しました」の一言を添えましょう。 また、突然無言になって調べ始めると、電話が途中で切れたのかと相手は戸惑ってしまうので×。

言葉を省かないのNG

何となく言葉を発するのはやめましょう!相手に尋ねるときに、「ご住所は?」「私は○○と申しますが、失礼ですが……?」などと、語尾を省くのはNG。意味は通じますが、丁寧さに欠けます。言葉は最後までしっかりと発しましょう。

周囲の態度

周囲の態度

電話は周囲の音を思った以上に拾います。席の近くで電話がつながっているときは、大声で笑ったり、仲間どうしの言葉遣いをしないようにしましょう。受話器を通じて、周りの声や雑音が電話の向こうにまで聞こえてしまい、マナーや言葉遣いができていない企業だと思われてしまいます。

周囲の態度のNG

受話器の送話口を手で押さえても、ほとんど防音効果はありません。お待たせするときは必ず保留ボタンを押しましょう。

周囲の態度のCHECK

社員どうし・仲間内でも、就業時間内は基本的に「です、ます」の丁寧語で通すことが望ましい。電話向こうの相手のみならず、不意の来客が現れたとき、お互い気まずい思いをせずに済みます。何となく過ごすのではなく、就業時間内は会社の顔として見られているという思いで、気を引き締めて過ごすよう心がけましょう。

プロフィール

長谷川 久美子

長谷川 久美子 さん

札幌市内の建設会社総務課で来客の応対を担当。
在職中に第8代のミスさっぽろに選ばれ、札幌の親善使節として全国各地を回る。その後、発声の基本から勉強し、結婚式、式典、パーティーなどの司会者となる。多くの人と触れ合う中でマナーの大切さを痛感する。
日本礼法会教授資格を取得。
平成10年NTTエスパス(現在のNTT東日本-北海道)のマナー講師として採用され、接遇マナー、ビジネス電話応対マナー、クレーム対応などの講師として活躍。 平成14年より日本電信電話ユーザ協会主催「電話応対コンクール全道大会」の審査員を務める。

現在、NTT北海道セミナーセンター講師、日本電信電話ユーザ協会テレコミュニケーション契約講師、コーディアル・スタッフ講師。マナーコンサルタントとして、一般企業研修、コールセンターオペレーター研修、新入社員研修、リーダー育成研修のほか、クレーム研修、コミュニケーション研修、学生の面接指導など、心理学の要素を加えながら、さまざまなマナー指導を行っている。

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