公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会 北海道支部

今日から実践!ビジネスマナー10 前編

協力:「椿 武愛子オフィス」代表 椿 武愛子さん

illustration by sora

ビジネスマナ-を身に付けることは、優秀な社会人としての第一歩。
一人前の「社会人」と呼ばれるために、知っておきたい知識・礼儀・振る舞いを、前編と後編に分けて、ポイントを絞って解説していきます。

  • はじめに

社会人としての基本マナーのポイントは5つあります。


<社会人としての基本マナー>
  • 挨拶ができない(自分から声を発すること)
  • 身だしなみ(TPO[Time,Place,Occasion]=時と場所と場合に合った身だしなみ)
  • 言葉遣い
  • 適切な態度
  • 適切な表情(表情が豊かであるか)

基本的な5つのマナーを踏まえ、今回の前編では<名刺交換のマナー><訪問のマナー>
<お迎えするマナー><言葉遣いのマナー><面接のマナー>について説明します。

名刺交換マナー

名刺交換

名刺と名刺入れ

名刺とは自分をPR・自己紹介する最低限のアイテムです。その人の顔そのものと言えます。扱いに注意しましょう。
また、名刺入れは大事な名刺を受け渡しするクッションです。必ず用意しましょう。

名刺交換の順番

まず、訪問する側が先に名刺を渡して、自分たちの身分を明かします。
また、役職から上のものから先に名刺交換を済ませます。ただし、多人数でいちどきに名刺交換をする際などこの手順を守れないときは、「お先に失礼頂戴します。」と一言を添えましょう。

名刺の受け取り方・渡し方

名刺は、縦向きに渡されたら縦、横向きの場合は横で、名刺入れをお盆のようにして、両手で受け取ります。そのとき同時に「○○と申します。」と自己紹介しましょう。
名刺を渡すときも同様で、相手に文字が読めるように渡します。

名刺交換のマナーNG

  • 名刺交換の際は、慌てない
  • 相手がいる間は、名刺をしまわない
  • 万一名刺を切らしているときには、その旨を伝え、「後ほど送ります。」と断りを入れて後で送る。

訪問のマナー

訪問する前の準備

まず訪問する目的を明確にしておきます。訪問先の会社がどういう会社なのか、ある程度調べて予備知識を得ておきましょう。
次に、訪問先にアポイントを取ります。その際「どの部署の誰が、何人で、いつ」伺うのかハッキリ伝えることがポイント。そうすることで、迎える訪問先は人や人数に合わせて対応の準備をしやすくなります。
また、訪問予定日の3日くらい前に、もう一度確認の連絡を入れておきましょう。

席次

一般的に、部屋の出入り口から一番遠い席を上座、その反対を下座と呼びます。
まず、お客様、そして上司の順に上座から座っていきます。

席次

応接室に通されたとき

部屋の下座に立ち、相手が来るのを待ちます。案内の人に席を勧められた場合、下座に座って待ちましょう。相手が部屋に入ってきたら、立ち上がってお迎えします。

訪問のマナーNG

  • 到着は予定時刻の五分前、または五分後くらいが適切。早ければいいというものではない
  • クレーム対応で訪問するとき以外、基本的に手土産は不要
  • 相手の会社の情報を話しすぎることは控える。不愉快を与えかねない

迎えるするマナー

訪問の申し入れを受けたとき

まず、訪問の目的・日時を確認。「○月○日○時ですね。」というように、復唱することもポイント。訪問日までに必要な書類や資料、場所の手配などを済ませておきます。

お茶の出し方

お客様がいらっしゃったとき

お客様がいらっしゃったときは一歩前に出て、「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」と尋ねましょう。内容を伺い、担当の者に連絡を取ります。担当の者が不在の場合、「本日はお約束でしょうか?」と尋ね、あくまで丁寧な対応を心がけましょう。

お茶の出し方

お茶の出し方

コーヒーが苦手な方も多いので、なるべく日本茶をお出しするようにしましょう。また、お客様・上司に関わらず、全員分を同じ柄のお茶碗・茶たくで統一します。お菓子を一緒に出すときは、飲み物を右に、お菓子は左に置きます。
お客様は出されたものに手をつけづらいものです。一言、「どうぞ。」と勧めましょう。

迎えるマナーNG

  • 訪問されたお客様は会社のお客様。自分のお客様ではないからといって無視したり、ぞんざいな態度をとったりしない
  • お客様を長くお待たせしない
  • 会議室・応接室は共用の場。ゴミの始末など整理整頓を心がける。また、灰皿は申し出がない限り置かない

言葉遣いのマナー

言葉遣い

ビジネスシーンでの話し方の基本

話し方一つで印象は大きく変わってきます。明るく、はきはき、語尾までしっかり発音することが大事です。

自分の言い方

自分の言い方として、「おれ」「ぼく」「わたし」はビジネスシーンでは適切ではありません。上司やお客様の前では「わたくし」と言います。

尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け

敬語の種類には、三つあります。

  • ・相手の行為や状態を敬う「尊敬語」
  • ・相手よりへりくだる「謙譲語」
  • ・語頭に『お』『ご』を、または語尾に『です・ます』を付ける「丁寧語」

ビジネスシーンでは特に、相手よりへりくだる謙譲語を多用します。

以下に代表的な敬語の例を挙げます。

<敬語の使い方>

原型 尊敬語 謙譲語
いる いらっしゃいます おります
する されます・なさいます いたします
行く いらっしゃいます 参ります
おいでになります 伺います
来る いらっしゃいます 参ります
お越しになります
言う おっしゃいます 申します
聞く お聞きになります 伺います
見る ご覧になります 拝見いたします
食べる 召し上がります いただきます

言葉遣いのマナーNG

  • 「あっち」「こっち」ではなく、「あちら」「こちら」。また、省略後や俗語もビジネスシーンには適さない
  • 慣れない敬語を連発したり、濫用したりすることは、相手に奇異な印象を与えかねない。それよりも相手に対する真摯な気持ちが大切
  • 敬語のほかにも、ビジネスシーン独特のビジネス慣用句がある
    「少々お待ちください」「お待たせいたしました」「かしこまりました」「恐縮ですが」「お手数ですが」「申し訳ございません」「席をはずしております」「頂戴いたします」「お疲れ様でした」など

面接のマナー

椅子の腰掛け方

面接室に入室~着席

ドアのノックは2回。「どうぞ。」と応答があってから、「失礼します。」と言ってドアを開けます。席は勧められてから座りましょう。椅子の左手に周り、右手で椅子を引いて着席します。右手には自分より立場が上の者が座るのが基本のマナーであるためです。
椅子には深く腰掛けず、浅く座ります。男性はしっかり手を握って、女性は両手の指先を合わせるようにして、ひざの上に置きます。

よい印象を与えるためには

第一印象は7秒くらいで決まるといいます。
よい印象を与えるポイントは5つ。

  • ・清潔感がある身だしなみ
  • ・言葉遣い
  • ・態度
  • ・表情
  • ・挨拶

特に、与える印象の70%は表情といわれています。笑顔を心がけましょう。

等身大の自分で

小難しい言葉や慣れない敬語を多用すると、どこか浮ついた、学生らしくない印象を与えます。失礼がないようにすることはもちろん大切ですが、企業が見たいのは取り繕った姿ではありません。真摯な態度で、リラックスして面接に臨みましょう。
面接が終わったら「ありがとうございました。」と言い、礼をして一歩下がります。最後に「失礼しました。」と言って、部屋を出ます。

面接のマナーNG

  • 遅刻は厳禁! 五分前には受付を済ませられるように。どうしても遅れそうなときは事前に連絡をする。早すぎる訪問も先方に迷惑になることがあるので控える
  • 面接室の外での振舞い方もチェックされる。大声で話す・携帯電話の使用・横柄な態度はNG
  • 携帯電話の電源は会社に入る前に切っておく。面接中に携帯電話が鳴ったり、アラームが作動したりという失態は避けたいもの

プロフィール

椿 武愛子

椿 武愛子(むつこ)さん

昭和63年から札幌でイベント企画を手がけ、自らもフリー司会やマナー講師として活動。平成5年、イベント企画人材育成会社「(有)椿 武愛子オフィス設立」。イベント企画全般を手がける。また、ホテル総支配人の経験を生かしてホテルコンサルト業も行う。青森在住時、RAB青森放送局『ニュースレーダー』アシスタントレディとして、リポーター・司会者を務める。TBS『学校へ行こう!』(マナーの猫)、NHK『ほくほくテレビ』、宮城テレビの他、NHK札幌放送局ラジオアシスタント、UHB『トークDEほっかいどう』コメンテーター、HBCラジオ『人生の達人』コメンテーターなど出演多数。現在、FMカロスパーソナリティーを勤める。平成17年より、中国北京でオリンピックに向けて、中国企業およびオリンピック・スタッフにマナーの研修を行っている。椿 武愛子スキルアップアカデミー開催中。http://www.navi-kita.net/tsubaki/

  • (有)椿 武愛子オフィス代表・ビジネスマナーコンサルタント・日本礼法教授(和の作法)
  • (財)日本電信ユーザー協会主催「電話応対コンクール全国大会」審査員
  • 札幌市立大学非常勤講師(人間学)
  • 「ミス北海道」「ミス石狩」の接遇マナー教育、企業向け接客マナー教育
  • 大学、専門学校での「面接のマナー」「社会人としてのマナー」
  • ホテル、レストラン従業員向け接客マナー教育
  • 講師:総務省/北海道大学/札幌医科大学/JA空知/ライオンズクラブ/ロータリークラブ/全道商工会連合会/中小企業大学校/札幌市教育センター/理学療法士会/札幌市教育庁/北海道職業能力開発促進センター/岩見沢歯科医師協会/文化服装学院/戸板女子短期大学/ホテル協会労働組合/定山渓観光協会/層雲峡観光協会/積丹観光協会ほか/(株)千歳国際ビジネス交流センター/ 千歳市、千歳商工会議所/道内外のホテル温泉旅館、企業研修など